前回は成長のための考え方として、「スキルピラミッド」の概要を紹介しました。今回はスキルピラミッドを活用するために、スキルピラミッドの特性を紹介します。
スキルピラミッドの2つの特性

スキルピラミッドは下記2つの特性を備えています。
- 上に行けば行くほど、作業に対しての即効性が高い
- 下に行けば行くほど、仕事の進め方に対しての効果性が高い
2つの特性から見た各スキル
経理業務を例に、上記特性を踏まえて各スキルを上から見て行きましょう。
テクニカルスキル
テクニカルスキルを鍛えれば鍛えるほど、目の前の作業をこなす能力はみるみる上がっていきます。経理業務のテクニカルスキルである簿記の知識は、身に付けたその場で作業に活かせます。簿記資格を持っている人の方が、持っていない人に比べて経理作業の処理スピードは早いです。しかし、簿記の知識は経理作業以外では使えません。その上、経理作業の中でも簿記の知識を求められる場面は限定的です。
リテラシー
リテラシーも向上すればするほど、作業処理スピードが上がります。現代の経理業務のリテラシーであるパソコンの使い方に長けていれば、そうでない人よりも早く作業を処理できます。また、パソコンは1日中使用するのでパソコン操作のリテラシーは1日中活用できます。パソコンを使う他の作業にも応用が利きます。
ポータブルスキル
ポータブルスキルは目の前の作業への即効性という面では上記2つに劣ります。なぜなら、対人スキルや対自己スキル、対課題スキルを鍛えるには時間がかかる上、これらの能力は実作業を早く処理することには貢献しないからです。
上記の通り、ポータブルスキルを鍛えても実作業時間は短くなりませんが、下記の様に仕事自体を早く終わらせることができます。
- 対人スキルにより、作業依頼者との認識違いを無くし後戻り作業を防止できる。
- 対自己スキルにより、調子が悪くても一定の作業量をこなせる。
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対課題スキルにより、効率の良い作業着手順番を考えられるようになる。
ポータブルスキルは「作業」という小さい単位の仕事には効果がありませんが、作業を含む仕事全体の「進め方」に大きな影響を与えるのです。そして、仕事全体の作業時間短縮においては、作業内容を改善するよりも仕事の進め方を改善する方が大きな効果を見込めます。もちろん最適な仕事の進め方ができれば、時間を短縮されるだけでなく仕事の質も向上します。
スタンス
スタンスは、作業への即効性は全くありません。しかし、自分のスタンスを認識していれば、どのような仕事が自分のモチベーションを上げてくれるかがわかります。結果、スタンスに沿った仕事を選んだり、自分好みの仕事の進め方をしたりすることにより、常に高いモチベーションを維持して仕事をすることができます。
まとめ
今回でスキルピラミッドの概念を完璧に理解できたあなたはこう思っているはずです。
「それでは、成長を加速させるためにはどのスキルを鍛えたらいいの?」
次回はこの問いにお答えします。