ポータブルスキルについて第一回で下記の説明をしました。
どんな仕事にも使える=持ち運べるので、「ポータブル」スキルと呼ばれています。
[η]新社会人必見!あなたの成長を加速させる考え方~1:スキルピラミッドとは?~ | ハックの哲学
今回は、持ち運べるとはどういうことなのかを考えていきます。
ポータブル&テクニカルスキルのアウトプットへの効果
前回までのおさらいを兼ねて、ポータブルスキルとテクニカルスキルの習熟度と仕事のアウトプットの量と質の関係をグラフにしてみました。
上図は特定の職場Aにおけるポータブルスキルとテクニカルスキルの習熟度と、仕事のアウトプットの量&質の関係を表しています。時間と共にスキルは向上していくという前提で、横軸をスキル習熟度≓時間、縦軸をアウトプットの量&質としています。それではスキル習熟度に沿って、グラフを左から右へ見ていきましょう。
下記に登場するそれぞれのスキルの特性に関しては、第二回の記事をご参照下さい。
[η]新社会人必見!あなたの成長を加速させる考え方~2:スキルピラミッド|2つの特性~ | ハックの哲学
トレーニング初期段階
テクニカルスキルは即効性が高いので、鍛え始め早々からアウトプットの量&質を増加させます。他方、ポータブルスキルは即効性が低いので、鍛え始めてもしばらくはアウトプットの量&質に影響を与えません。
トレーニング中期段階
トレーニング中期になるとポータブルスキルの効果が出始め、アウトプットの量&質がぐんぐん上がっていきます。反対に即効性はあっても作業にしか効果の無いテクニカルスキルのアウトプットへの効果は、鍛えているにも関わらずどんどん減少していきます。
トレーニング後期段階
両スキルとも十分に鍛えられた状態で比較すると、テクニカルスキルに比べるとポータブルスキルの方がアウトプットの量&質に与える効果が段違いに大きいという結果になります。
スキルを持ち運べるとは?
次に、職場を移った場合のポータブルスキルとテクニカルスキルとアウトプットの関係を見てみましょう。
あなたは社内異動 or 転職で職場を前項のAからBへ変えました。すると、仕事の内容が異なるのでテクニカルスキルは一からの鍛え直しになります。しかし、ポータブルスキルは仕事の進め方のスキルなので、職場Aで鍛えたポータブルスキルは持ち越せるのです。
ポータブルスキルを職場Bの環境に合わせる必要があるため、習熟度100%で持ち越すことはできませんが、職場Aで鍛えたポータブルスキルのほとんどは応用可能なので、少なくとも習熟度50%程度の状態から始められます。RPGで言えば、「強くてニューゲーム」が可能になるわけです。
まとめ
ポータブルスキルの可搬性は、これから確実に異動する予定の新社会人にはもちろん、異動の可能性のある総合職の方や、専門職でも転職を視野に入れている方にも大きなメリットをもたらします。
次回はわたしが考える理想的なスキルの鍛え方を紹介し、スキルピラミッドに関しての連載を終了したいと思います。