タスク管理のキホン

新社会人必見!あなたの成長を加速させる考え方~3:ポータブルスキルは早く鍛えよう~

前回紹介したスキルピラミッドの2つの特性から言えることは、一生同じ仕事をするつもりがないのであれば、出来るだけピラミッド下層のスキルを鍛えた方が良いということです。

そして、特に新社会人の方にはまずはポータブルスキルを鍛えることをオススメします。以下で新入社員の立場から各スキルを分析し、その理由を示します。

新社会人の立場から分析する各スキル

スキルピラミッドの特性

スタンスは最も重要だが、自覚するには経験が必要

仕事のモチベーションに関わるスタンスは仕事を続ける上で最も重要です。出来るだけ早い内に自分のスタンスを自覚しておいた方が良いでしょう。しかし、スタンスはある程度仕事の経験を積まないとわからない部分でもあります。数年間、仕事をしてから自分を振り返り、自分のスタンスの確認を行う方が効率が良いでしょう。

テクニカルスキルは自然に身に付く

テクニカルスキルはあなたが真面目に業務に取り組むなら、自然に身に付きます。仕事をしていれば勝手に身に付くものにわざわざ力を入れる必要はありません。さらにテクニカルスキルは、その業務に従事している人なら誰でも持っていて、代替容易です。

「ほかの人と自分を差別化するために資格を取る!」と考えているあなた。弁護士や公認会計士など取得することが大きなメリットになるなら良いですが、そうでないならやめましょう。資格試験の出題範囲は、実務上一生使わない知識も含まれます。ただでさえテクニカルスキルは出番が限定的なのに、その中でもマイナーな(試験が終われば忘れてしまう)知識を記憶するためにあなたの貴重な人生を使うべきかを考え直してみるべきです。

リテラシーの向上も有効だが優先順位は下がる

リテラシー、特にパソコン操作含めたITリテラシーは非常に汎用性が高く、身につける価値があります。今のビジネス環境はITなしでは成り立たないからです。しかし、テクニカルスキルまでは行かなくとも、リテラシーも代替可能なスキルですので、次に挙げるポータブルスキルと比べると学習の優先順位は低くなります。

ポータブルスキルを早く鍛え始めることのメリット

下記3つの理由から、ポータブルスキルを鍛え始めるのは早ければ早いほど良いです。

  1. 仕事の基礎力
  2. 養成に時間がかかる
  3. 向上すると時間を確保できるようになる

以下でそれぞれを詳しく見ていきましょう。

1 仕事の基礎力

スキルピラミッドではポータブルスキルの上にテクニカルスキルやリテラシーが乗っています。これは、ポータブルスキルがあって初めてテクニカルスキルやリテラシーが活きることを意味しています。つまり、早い内にある程度までポータブルスキルを鍛えておかなければ、仕事の中でテクニカルスキルやリテラシーが身につけても大して効果を生まないという状況に陥ります。テクニカルスキルやリテラシーの即効性を最大限引き出すには最低限のポータブルスキルが必要になります。

2 養成に時間がかかる

テクニカルスキルやリテラシーと違い、ポータブルスキルを構成する各スキルは人によって鍛え方が異なるため、トレーニング方法が確立されていません。そのため、修得に非常に時間がかかります。時間がかかるなら、早く鍛え始めるに超したことはありません。

3 向上すると時間を確保できるようになる

対人スキルを鍛えると自分の立てた計画通りに周りに動いて貰えます。対自己スキルを鍛えると対時間で最大のパフォーマンスを発揮できます。対課題スキルを鍛えると課題達成のための最短スケジュールを組めるようになります。結果、より短い時間でより多くのアウトプットを生み出せるようになります。言い換えれば、ポータブルスキルを鍛えていない人より時間を多く使えることになるのです。この浮いた時間で、更なる自己投資が可能になります。

またリテラシーやテクニカルスキルを身につけること自体も1つの「課題」であるので、対課題スキルを身につけたあとから学び始めれば、そうでない場合と比べて、早く修得できるでしょう。

まとめ

リテラシー以下、特にポータブルスキルとスタンスは、意識しなければ鍛えることができないという特徴があります。実際、スタンスが固まらず、ポータブルスキルが十分に鍛えられていない状態で働いているサラリーマン 1 はたくさんいます。もちろん本記事でこの特徴を知ったあなたはこの罠にはハマることはないでしょう。

さぁ、新社会人の皆さん。成長を加速させるにはできるだけ早くポータブルスキルに着目し、鍛え始めましょう。

ひとまず結論にたどり着いたわけですが、ポータブルスキルを鍛えることのメリットを享受できるのは新入社員だけではありません。次回はそんな観点からポータブルスキルの「ポータブル」性について説明します。


  1. 「サラリーマン」としたのは、スタンスやポータブルスキルが鍛えられていないと食べていけない起業家やフリーランスは除くという意