タスク管理のキホン

タスク管理の「管理」の意味を取り違えてませんか?

もしあなたがタスク管理の「管理」に、在庫管理の「管理」の様なイメージを抱いているなら、それは「管理」の意味を取り間違えています。

今日は、そんなあなたのタスク「管理」についての誤解を解きたいと思います。

「管理」とはマネジメントの和訳?

これは全く裏を取っていませんが、タスク管理とは恐らく英語のTask Management(タスクマネジメント)の和訳だと思われます。

Managementの意味は、Weblio辞書によると以下の通りです。

主な意味
経営、管理、経営力、経営の方法、経営学、経営陣、経営者側、取り扱い、統御、操縦

managementの意味 – 英和辞典 Weblio辞書

どなたが初めて訳されたのかわかりませんが、「マネジメントって経営って意味だけど、『タスク経営』ってちょっと日本語が変だな。よし!『タスク管理』にしよう!」みたいな流れで、タスク管理と訳されたのだと思います。

日本語の「管理」の受動的な印象

さて、その「管理」の意味をgoo辞書で引くと以下の通りです。

1 ある規準などから外れないよう、全体を統制すること。「品質を管理する」「健康管理」「管理教育」
2 事が円滑に運ぶよう、事務を処理し、設備などを保存維持していくこと。「管理の行き届いたマンション」「生産管理」
3 法律上、財産や施設などの現状を維持し、また、その目的にそった範囲内で利用・改良などをはかること。

かんり【管理】の意味 – goo国語辞書

日本語の「管理」は、保存や維持など受動的な印象が強いです。在庫管理の「管理」にもこの様な受動的な印象があります。

0がマイナスにならないように受動的に維持するイメージです。

「マネジメント」とは能動的なもの

しかしマネジメントは違います。

先に見たように、マネジメントの第一義は経営です。経営は現状維持では成り立ちません。常に現状を変え、新しい試みを試し、変化し続けなければ、経営は成り立ちません。

0をプラスにするために能動的に働きかけるイメージです。

タスクにこちらから働きかけることが、タスク管理の本来の意味

初めに訳された方が、受動的な意味の強い「管理」という日本語を使ったがために、受動的な意味合いで捉えられることになってしまったタスク管理(Task Management)ですが、本来のタスク管理の意味は、「タスクにこちらから働きかけること」です。

「現在あるタスクを把握して、状態を確認すること」はタスク管理の一部ではありますが、タスク管理そのものではありません。在庫管理が経営全体のほんの一部の工程でしかないように、それはタスク管理の3段階モデルの「タスク状態管理」のさらにその一部の工程に過ぎません。

もちろん、タスク管理の3段階モデルで使用している「管理」という言葉も、すべてこの能動的な意味での「マネジメント」です。

「Task Managementの和訳は、タスク管理よりも、タスク操縦の方が適切であり、タスク管理術とはタスク操術である。」と、わたしは考えているのですが、ただでさえ世間に浸透していないタスク管理という言葉を自分の新しい言葉で表現したら、言葉の意味が全く伝わらなくなってしまうことが予想されるので、このブログでも引き続きタスク管理という言葉を使っていきます。

しかしその意味は、受動的な「管理」ではなく、能動的な「マネジメント」であることをここで説明させて頂きました。

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