仕事の3要素

[η]プロジェクトとイベントと短期請負タスク~各要素の関係性~

今回はプロジェクトとイベントと短期請負タスク、仕事の3つの主要素の関係性を考えてみました。

タスクとイベント

仕事はタスクとイベントの2つで構成されています。そして生活もタスクとイベントの2つで構成されています。つまり、わたしたちの人生にはタスクとイベントの2つしか存在しないのです。

▼人生に存在するのはタスクとイベントのみ
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タスクとは自分だけで行える作業です。洗濯する、メールを書く、プレゼン資料を作成するなどです。タスクの細かさを「粒度」という言葉で表現することがあります。たとえば、「プレゼン資料を作成する」というタスクは「プレゼン資料を作成するためにパワーポイントのファイルを新規作成する」というタスクよりも粒度が大きいです。この粒度という概念は、タスクを実行する際のポイントになることがありますが、今回は実行時の話ではないので、割愛します。

そして、自分のタスクまたは複数のタスクの集まり(タスク群)と他者のタスクまたはタスク群を、自分と他者が処理する必要がある場合、それはイベントとなります。

自分と他者のタスクの重なりがイベント
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下記がイベント発生の例です。会社やスーパーは人ではありませんが、その中の人のタスクという意味で捉えてください。

  • 「何かを決定する」というタスクを2人以上の人間が処理しなければならない際に、会議や打合せというイベントが発生
  • A社の「自社製品Aを顧客に渡す」タスクとB者の「(Aを加工した自社製品Bを納期aまでに完成させるために)Aを受け取る」という2つのタスクを処理するために納品業務というイベント発生
  • 主婦Cの「晩ご飯の麻婆豆腐のために豆腐を買う」タスクとスーパーDの「10時から20時まで(豆腐を含めた)商品を販売する」というタスクを処理するためにスーパーへの買い物に行くというイベントが発生

イベントはタスクの一種であり、厳密に言えば人生にはタスクしか存在しないのですが、通常のタスクとイベントでは性質が大きく異なるので分けて考えます。これらのタスクとイベントが朝起きてから夜寝るまで連なっているのが仕事、生活、人生です。
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仕事のすべてはプロジェクトから

話を広げすぎたので、話の焦点を仕事に絞ります。

仕事のすべてはプロジェクトから始まります。そしてプロジェクトが分解されたものがタスクとイベントになります

たとえば、「年間の利益を100万円増やす」というプロジェクトがあるとします。そのプロジェクトは「経費削減のため、コピー用紙の質を下げられないか確認する」というタスクであったり、「営業が顧客を訪問する」というイベントに分解されます。

▼仕事におけるタスクとイベントはプロジェクトの産物
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また、プロジェクトは更に小さなプロジェクトに分解されることもあります。上記の例ですと、「年間の利益を100万円増やす」が「年間の経費を20万円減らす」や「年間の営業売上を500万円増やす」というプロジェクトに分解されるといった具合です。実際、「年間の利益を100万円増やす」という様な大きなプロジェクトがいきなりタスクやイベントに分解されることはなく、このように小さなプロジェクトに分解されてからタスクやイベントに分解されるのが常でしょう。

▼大きなプロジェクトは小さなプロジェクト分解可能
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上記の例が個人事業主であれば、すべてのプロジェクト、タスク、イベントは自分で推し進めることになるので、上に挙げた2つの図の通りになります。しかし、上記の例が会社組織の場合だと、社長が掲げた大きなプロジェクトが小さなプロジェクトに分解され社員に任されるという構図になります。そのような場合、任された側の視点から見るとそのプロジェクトは請負プロジェクトとなります。

他者のプロジェクトから切り出されたプロジェクトが請負プロジェクト
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請負プロジェクトをタスクやイベントに分解するときは自分のプロジェクトをそれらに分解するのと同じ方法で分解が可能です。「請負」プロジェクトから分解されたタスクとイベントの名前の頭には「請負」を付けるのが自然ですが、本論を進める上で、請負プロジェクトから分解されたタスクやイベントと自分のプロジェクトから分解されたそれらを明確に区別する必要性がないので、共通の名前を使用します。

▼請負と名前が付いていても、分解してしまえば普通のタスクやイベントとなる
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短期請負タスクとは他者のプロジェクトから直接切り出されたタスク

仕事の3つの主要素の短期請負タスクとは他者のプロジェクトから直接切り出されたタスクです。
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原理としてはイベントも他者プロジェクトから切り出されますが、前述の通りイベントはタスクの一種であり、仕事の3つの主要素を説明する上では、他者のプロジェクトから直接切り出されたタスクとイベントを区別する必要はないので、割愛します。

他者のプロジェクトから直接切り出されたタスクであれば「請負タスク」と名付けるのが適当ですが、納期が先(長い)タスクを他者に依頼することはあまりないと考えるので、短納期という意味で「短期」という名前を頭に付けています。一般的な職場であれば、「一ヶ月後にはがきを出してください」というようなタスクを依頼されることはまずないでしょう。

ガントチャートで各担当ごとのタスクが数ヶ月先まで割り振られている職場なら、納期が数ヶ月先のタスクを他者から依頼されている状態が実現されていると言えますが、そのような状況は「ガントチャートのスケジュール通りにタスクを処理する」という請負プロジェクトを担っている状態と解釈します。ガントチャートのスケジュール通りにタスクを処理するために必要なことは多く、ガントチャートに記されたタスクをただ単純に実行すればよいわけではないからです。

まとめ

わたし自身、考えながら本論を書いているので、今回の記事を作っていく中で、プロジェクト、イベント、短期請負タスクの関係性がやっとスッキリしてきました。

下記のそれぞれの定義に関する記事と併せれば、なんとなく3つの要素がどのようなものかわかっていただけるのではないかと思います。

[η]プロジェクトとイベントと短期請負タスク~タスクの観点から~ | ハックの哲学
[η]プロジェクトとイベントと短期請負タスク~スケジュールの立てやすさ~ | ハックの哲学

次回は、タスク管理の効用と限界について書く予定です。

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8/21(日)、新宿でタスク管理好きによる、タスク管理好きのための談合「Task Freaks!!」を開きます | ハックの哲学