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1時間残業することについて徹底的に考えてみた~残業拒絶論~

「残業」について考える本連載。今回は1時間残業することについて、仕事とプライベート、両面での重さについてそれぞれ考えてみました。

残業1時間の重さ

所定労働時間を8時間と想定すると、残業1時間の労働時間全体に対する割合は1/9、たったの約11%です。

さらに、タスク管理がきちんとできている人であれば、優先順位順に仕事を処理する習慣が身についていると思いますので、その日の優先順位が最も高い仕事は午前中には終えており、あとは優先順位の高い順に仕事を処理しているはずです。ならば、その日の最後の1時間である残業時間で行う仕事は、最も優先順位の低い仕事ということになります。

プライベートにおける1時間の重さ

24時間から睡眠時間と仕事時間を引いた時間が、プライベートに使える時間になります。日本人の平均睡眠時間は7時間24分なので、ここでは計算を簡単にするために睡眠時間は7時間30分とします。仕事時間は所定労働時間の8時間とすると24h-7.5h-8h=8.5hがプライベートに使える時間のように見えます。

しかし、プライベートの時間の中で自分がやりたいことに使える時間はもっと少なくなります。プライベートでの時間には、下記の仕事や睡眠、生命を維持するために必要な活動が含まれているからです。

  • 会社での昼食(移動含む) 0.5h
  • 通勤時間         1.5h(片道45分と想定/玄関から会社のイスまで)
  • 出社のための身支度    0.5h(荷物の準備・着替え・洗顔・歯磨き等)
  • 帰宅後の着替え      0.1h
  • 夕食作り         0.5h
  • 夕食&皿洗い       0.5h
  • 入浴準備&入浴      0.5h
  • 入眠準備         0.4h(髪を乾かすこと、歯磨き等含む)

上記の活動の合計時間は4.5hです。この時間を計算に含めると、実際に自分がやりたいことに使える時間は8.5h-4.5h=4hのように見えます。しかし、まだ下記の項目が計算に反映されていません。

  • トイレ               0.3h(1日3~4回想定)
  • 想定時間を超えた場合の変動吸収分  0.45h(4.5hの約1割で計算)
  • ムダな行動             0.45h(4.5hの約1割で計算)

トイレの時間は欠かせないですし、毎日何かしら想定外の出来事は起こるものなので、想定外の出来事が起こり、上で計算した時間以上の時間がかかった場合の変動吸収も考慮する必要があります。さらに人間はロボットではないので、4.5hの中でムダな時間を一切なくそうと行動しても、必ずちょっとSNSを見に行ったりするなどのムダが生まれます。一日限定でムダを0にすることは可能でしょうが、それを一生続けることは不可能なので、ムダな行動も時間計算に含めます。

上記の合計は1.2hとなるので、4h-1.2h=2.8hが毎日確実に自分がやりたいことに使える時間となります。

もし、このうち1hを残業に使った場合、1/2.8の約36%が失われることになります。

2.8hは自分がやりたいことに使える計算上最大の時間なので、上で挙げたこと以外にも必ずやらなければいけないことがある人は、1時間の残業によりやりたいことに使える時間が失われる比率は36%よりも更に高くなります。

まとめ

1時間残業するということは、その日、最も優先順位が低い仕事をするために、仕事時間全体で見た場合の11%増やして、自分がやりたいことに使える時間の36%を削っていることがわかりました。

しかも、プライベートでの活動は会社での活動とは異なり、あなたしかできないことやあなたがやることに意味があることである場合が多いです。さらにそのような活動は、往々にしてあなたの幸福感に直結しています。残業に関しての会社からの見返りは以前の下記記事に書いたとおりです。

[η]残業で得られるもの・失われるもの。そして明らかになる衝撃的事実~残業拒絶論~ | ハックの哲学

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