認知資源

一番大切なものを守るために理想と現実の折り合いをつける~残業拒絶論~

これまで「絶対定時に帰るべきだッ!」とすごく極端なことを書いてきましたが、これらは啓蒙のためにあえて尖らせて書いただけです。

煽っておいてハシゴを外すようで申し訳ないですが、実際は定時に帰ることに固執しているとうまくいきません。理想の姿がイメージできたら、次の段階として理想と現実の折り合いをつける必要あります。

仕事が炎上するとより多くの時間を火消しに使うことになる

わたしはこれまでの記事に書いた考えにたどり着いた後、定時に帰ってやりたいことをやるという理想を実現するために、しばらく定時に帰っていました。すると、1週間ぐらいすると納期が大幅に遅れている仕事が出てきました。そして、その仕事は炎上して、その火消しのために長時間残業する生活に戻ってしまいました。

理想を貫くのであれば、炎上しても、「誠に申し訳ございません。すべて私の能力不足の結果です。あ、でも定時になったんで帰ります。」とするべきですが、わたしはそうはしませんでした。

なぜなら、仕事が炎上すると火消しをするために、本来その仕事を処理するのにかかる時間以上の時間を使うことになるからです。「炎上するのは、与えられた仕事がわたしの能力を超えているからだ。仕方がない。よし、定時になったから帰ろう。」と、意地を張って正論を貫き通すと、大炎上し、何時間残業しても早急に処理しないといけなくなります。結果、理想の定時帰りから遠のく一方です。

目的は定時に帰ることであり、理想論を貫き通すことではありません。決して揺るがない理想は持ちつつも、実際には理想と現実のギャップ埋めるための仕組みづくりが必要です。

炎上仕事を放っておくとやりたいことができない

理想に固執し、実際に炎上しいてる仕事や自分が「炎上しそうだな。。」と感じている仕事(以下、炎上仕事)を投げ捨てて帰ってしまうことで出てくる弊害はまだあります。

まず、終業後や休んでいるときの会社からの電話が怖くなります。「あの件で電話をかけてきたんじゃないかなぁ。出るのイヤだなぁ。」と感じ、ストレスがかかります。いくら自分では間違ったことをやっていないと思っていても、怒った相手と電話をすると、相手の負の感情を多少なりとももらってしまいますからね。

また、炎上予備案件を抱えていると、プライベートでも「炎上したらまずいな。。」という気持ちが常につきまとい、なかなかやりたいことをやる能率が上がりません。

何かをやろうとしても「これよりも、炎上仕事をやった方がいいのでは?」と思ったり、平日の朝に起きても、「出社したら絶対炎上してるわ-。会社行きたくない。」と思ってしまいます。

ここで、感情の赴くままに、放置している仕事に取りかかったり、早朝に出社して炎上している案件を片付ければいいのですが、下手に理想を追いかけていると「いや、ここで仕事をしたら負けだ。ここで仕事をしたら『なんだかんだ言っても、アイツはやるやつだ』と周りに思われてしまう。ここは『自分の能力以上の仕事はやりませんよ』という態度を知らしめるためにも、断固、仕事はやるべきではない。」とか思ってしまいます。

その結果、能率が下がるどころかわたしはやりたいことが何もできませんでした

上記の理想を追いかけるなら、仕事をせずにやりたいことをやるべきですが、「やりたいことより、炎上仕事をやった方がいい」という気持ちが消えたわけではなかったので、やりたいことに手を付けられなかったのです。だから、仕事でもやりたいことでもない、何も考えなくてもよいネットサーフィンやマンガや睡眠に逃げてしまったのです。

心が強い人なら「好きなことをやるが、炎上仕事も気になるので、能率が下がる」程度で済みますが、わたしみたいな豆腐メンタルの人間だと何もできなくなるということです。

精神の健康が一番大切

このように、理想への想いが強すぎると不健全な精神状態になり、理想を貫いているつもりが実際は何もしていないという状態に陥ることがあります。

目的は定時に帰ることですが、一番大切なのは精神の健康です。

これまで「仕組みが完璧であればすぺてうまくいく。感情なんて不要。」と考えていましたが、それでうまくいくのは、あまりストレスにさらされていない環境下だけで、ストレスフルな環境下では精神の健康維持が最も大切だと気付かされました。

理想を達成するためには仕組みを正常に回さなければなりません。仕組みを回すためには精神を健全に保つ必要があります。理想と現実のギャップで精神の健全性が危ぶまれるのであれば、理想に執着しすぎないことです。

理想を追い求めることで理想から遠のく。矛盾しているようで矛盾していない。タスク管理は奥深いです。

まとめ

上記のわたしの経験は、潜在意識系の自己啓発にある「理想の自分がする行動をする」の一つの反証でもあります。理想ばかり追い求めいてたら、現実との歪みが必ず生まれます。潜在意識的には、「歪みが生まれても理想の姿でいろ」と言うのかも知れませんが、それができれば狂人の域です。普通の人はそんなに強くない。

わたしは実体験に基づく理詰めのタスク管理をしていきます。よくわからない潜在意識とか引き寄せとかに、一回きりの人生を託すなんて賭けには出れません。そのような賭けに時間を使うなら、100%わたしの中で論の通っている方法に時間を使っていきます。