前回、タスク管理4.0の4要素のパラメータはすべて0.0~1.0であることを話した。
それでは能力のパラメータはどうか?
結論から言うと、上限はないと考える。つまり、0~∞である。
タスク管理4.0における能力の対象範囲は広い。プレゼン力やカリスマ性などその人に元来備わっているものから、人脈やお金などその人の活動によってもたらされたもの、持っている情報、特定のツールを使いこなせる技量まで、あらゆるものを含む。
そして傑出した能力は、生産性を劇的に向上させる。
プレゼン力が高ければ、一回のプレゼンで観客を魅了すことができる。
人脈があれば、自分ではできないことを人にやってもらえる。
お金があれば、投資によって自分が働かずともお金を増やすことができる。
より良い情報を持っていれば、より良い計画を立てることができる。
データ分析ソフトが使えれば、人力では到底集計分析不可能なビッグデータを取り扱うことができる。
さらに能力・情報・ツールは複数所有可能なので、そのシナジー効果は計り知れない。ゆえに∞なのだ。
圧倒的な能力を持っているか、圧倒的でなくとも組合せ可能な能力を複数持っていれば、パラメータは10、100を超え、タスク管理など比ではない影響を、生産性に及ぼす。
だから、プレゼン力、人脈、お金などの能力や、情報収集、ツールに関しての本や情報が、書店にもネットにも溢れかえっているのだ。
戦争術とタスク管理の比較図では、能力・情報・ツールとは「武器」と位置づけられる。
まず言うまでも無く、武器は戦略・作戦・戦術の中で使われるものだが、同時に武器によって戦略・作戦・戦術は変わる。竹の槍が主装備の隊と、銃が主装備の隊で、戦略・作戦・戦術が変わるであろうことは、戦争を知らなくても想像に難くないだろう。
武器(能力・情報・ツール)に、戦略・作戦・戦術(タスク管理)が影響を受けるのだ。
これは生産性とタスク管理はかけ算の追記で触れた内容でもある。
そして武器があまりにも強力な場合、戦略・作戦・戦術すべてをひっくり返すこともある。核ミサイルなどの戦略兵器がこれに当たる。強力な武器(能力・情報・ツール)は戦略・作戦・戦術(タスク管理)をひっくり返すのだ。
そうつまり、強力な能力・情報・ツールの前ではタスク管理など児戯に等しい。
生産性に最も大きな影響を与えるものは能力・情報・ツールであることを知り、タスク管理に期待していた人は絶望に淵に叩き落とされたかも知れない。
いや、絶望はさせない・・・。能力・情報・ツールがない者にとって、タスク管理が最後の希望だからだ。
次回はその希望について説明する。